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消化管ポリポーシスとは?原因・症状は?診断と治療は?予防は?

はじめに

消化管ポリポーシスは、消化管(大腸、小腸、胃など)にポリープが多数(一般的には100個以上)存在する状態を指す。消化管ポリポーシスの原因となる疾患は多岐にわたり、家族性腺腫性ポリポーシスやポイツジェガース症候群などが知られている。

症状は乏しく、便潜血検査の陽性者に対する精密検査でたまたま発見されることがある。腹痛や嘔吐、下血が生じることもある。

消化管ポリポーシスの日本での有病率は、疾患の種類によって異なる。若年性ポリポーシスの有病率は、10万人に1人とされている。一方で、家族性大腸腺腫症(FAP)の発症頻度は、17,400人に1人とされている。


<目次>
はじめに
消化管ポリポーシスとは
原因
症状
検査・診断
治療
予防
あとがき

消化管ポリポーシスとは

消化管ポリポーシス(gastrointestinal polyposis)とは、消化管にポリープが多数(一般的には100個以上)みられる場合を指す。


原因

消化管ポリポーシスの原因となる疾患は多岐にわたる。


症状

症状は乏しく、便潜血検査の陽性者に対する精密検査でたまたま発見されることがある。腹痛や嘔吐、下血が生じることもある。疾患によっては消化管以外に症状が現れることがある(表1参照)。

表1.消化管ポリポーシスの原因となる疾患群
消化管ポリポーシス|慶應義塾大学病院 KOMPAS (keio.ac.jp)

検査・診断

造影剤を用いたX線消化管検査や、内視鏡検査ならびに組織学的検査を行う。ほかには、体への負担が少ない消化管検査として、CT検査、MRI検査、カプセル内視鏡検査などがある。


治療

病理学的所見と合わせて適切な経過観察が必要である。ポリープによって腸が詰まってしまった場合には手術が必要になる。

治療は、ポリープの大きさや数、悪性度によるが、一般的には、5mm以上の大腸腺腫は次のような内視鏡治療による切除が行われる。

  • ポリペクトミー
  • 内視鏡的粘膜切除術
    (endoscopic mucosal resection: EMR)
  • 内視鏡的粘膜下層剥離術
    (endoscopic submucosal dissection: ESD)

MUTYH関連ポリポーシスの主な治療は、 内視鏡的切除(ポリープ切除術、粘膜切除術) である。

がんが存在するかポリープの量が多すぎる場合は、外科的切除が必要である。手術の選択肢は大腸部分切除、大腸亜全摘、または大腸全摘であり、病巣の進展範囲と量に応じて選択する。

家族性大腸腺腫症は、大腸がん発症リスクが高いため、予防的大腸全摘術を行う。


予防

消化管ポリポーシスの発症を完全に防ぐことは難しいとされ、予防策として確立したものはない。しかしながら、消化管ポリポーシスの予防策としては、次のような対策が役立つかも知れない。

  • 健康的な食事
    • 栄養バランスの良い食事を摂る
    • 健康状態を維持する
    • 免疫力を強化する
  • 定期的な運動
    • 定期的な運動
    • 健康状態を維持
    • 免疫力を強化する
  • 定期的な健康診断
    • 定期的な健康診断を受ける
    • 早期に異常を発見する
    • 適切な治療を受ける
  • 遺伝的リスクの理解
    • 家族歴がある場合、遺伝的リスクを理解する
    • 適切なスクリーニングを受ける

あとがき

消化管ポリポーシスは、遺伝的要因や特定の疾患(例えば、家族性腺腫性ポリポーシスやポイツジェガース症候群など)によって引き起こされることが多いとされている。

そして、消化管ポリポーシスの発症にストレスが直接的に関与するという明確な証拠は現時点ではない。しかしながら、ストレスは全般的な健康に影響を及ぼすことが知られており、特に消化器系に影響を及ぼす可能性が高い。

ストレスは消化器系の運動異常や知覚過敏を引き起こし、それに伴って腹部の不快感が生じることがある。ストレス管理は全般的な健康管理として重要であり、特に消化器系の疾患を持つ人々にとっては重要となる。ストレスが消化管ポリポーシスの発症や進行にどの程度影響を及ぼすかについては検証する必要があるが、免疫力の強化の観点からストレス管理も予防策に含めるべきであろうと思う。


【参考資料】
KOMPAS 慶応義塾大学病院 医療・健康情報サイト
MSDマニュアル 家庭版・プロフェッショナル版