はじめに
日本における高尿酸血症の有病率は、30歳以降の成人男性では約30%と推定されているようだ。そして、痛風の有病率は、男性において30歳以降では約1%を超えていると推定されている。さらに、これらの数値は現在も増加傾向にあるというから静観はできない。
若い頃、例えば、30歳から60歳までの間では、高尿酸血症の発症頻度はそれほど多くはないというが、高血圧や腎臓病などのリスクを多く持つ高齢者は、64歳以下の人々に比べて高尿酸血症の発症頻度が高くなる傾向があると言われている。つまり、加齢は高尿酸血症や痛風の発症リスクを増加させる一因になり得るということだ。おそらくこれは腎臓の機能の低下とも関連があるはずである。
高尿酸血症/痛風とは?
高尿酸血症は、血液中の尿酸値が7.0㎎/dlを超える状態を指す。尿酸値が高いだけでは症状はないが、血中の尿酸値が高い状態が続くと溶け切れなくなった尿酸が結晶となり、関節などに蓄積していき、痛風発作が起きる。
原因
高尿酸血症の原因は、腎臓から尿酸を排泄する能力が低い人が、高尿酸血症になりやすいと考えられている。
また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病や、腎炎などによって腎臓の機能が低下し、尿酸の排泄が弱まることでも、尿酸値が上昇する可能性があるとされる。
症状
高尿酸血症自体には症状は出ないことが多いが、痛風発作、慢性腎臓病、尿路結石、心筋梗塞などの危険が高まる。
痛風発作の症状としては、関節が腫れ、強い痛みが出る。
検査・診断
高尿酸血症の診断は、採血検査で尿酸値を測定して行う。
治療
治療としては、生活習慣の改善がまず重要で、アルコール飲料、プリン体、糖分やカロリーの過剰摂取を避け、適度な運動をすることが望ましい。
また、尿酸値を下げる治療薬も使用される。
予防
予防策としては、飲み物や食事の選択、適度な運動などの生活習慣の改善が重要であるとされる。高尿酸血症を予防策として下記のような対策が推奨されている。
- 食事の量を調整する
- 食事の量を適切に調整する
- アルコールの摂取量を減らす
- すべての種類のアルコールの摂取量を減らす
- プリン体の摂取を控える
- プリン体を含む食べ物や飲み物の摂取を控える
- ビール、鶏卵、魚卵、肉、魚など
- 水分と野菜を多く摂る
- 水分と野菜を多く摂る
- 体内の尿酸値を適切に保つ
- 軽い有酸素運動を行う
- 有酸素運動(ウォーキングなど)を週3回程度行う
- 尿酸値が既に高い場合は、過度な運動や無酸素性運動を行うと尿酸が産生され、尿酸値が上昇するので要注意
あとがき
高尿酸血症と痛風は、生活習慣病に数えられている。生活習慣病は食事や飲酒などの生活習慣が大きく関係しており、特に肥満、アルコール、特定の食品の過剰摂取がリスクとなる。
また、高尿酸血症や痛風の患者は、高血圧、糖尿病などの他の生活習慣病を合併しやすい傾向があるという。私たちシニア世代は生活習慣を改善し、高尿酸血症や痛風を含む生活習慣病全般の予防に努めたいと思う。