はじめに
脂肪肝とは、肝臓に脂肪が多く蓄積されている状態を指す。脂肪肝の主な原因は過食と多量飲酒で、特に男性に多いとされ、肥満や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病も主な原因になると言われている。脂肪肝自体は、無症状であることが多いが、進行すると肝炎、肝硬変や肝がんの原因となることがあるので無視するわけにはいかない。
日本における脂肪肝の有病率は、男性では約32~41%、女性では約9~18%と報告されている。やはり男性の方が多いようだ。
また、脂肪肝は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)とも関連があり、健康診断を受けた成人のうち、NAFLDの有病率は約29.7%で、男性では41.0%と報告されている。男性の約4割がNAFLDという話には驚くが、これらの数値は現在も増加傾向にあるというから呆れるしかない。増加傾向の原因は現代人の生活習慣の乱れであろうか。
脂肪肝とは
脂肪肝とは、肝臓に脂肪が多く蓄積されている状態を指す。
原因
脂肪肝の主な原因は、過食(体重増加)と多量飲酒(アルコールの過剰摂取)、特に男性に多いと言われている。また、肥満や糖尿病(2型糖尿病)、脂質異常症も主な原因となる。
約20%の確率で、脂肪は肝臓を炎症させ、脂肪性肝炎と呼ばれる状態になると言われている。未治療の脂肪性肝炎は肝硬変に進行する可能性があるとされる。
脂肪肝は、炎症がある場合でも、食事、カロリー制限、運動および禁酒によって、元に戻すか、少なくとも進行を遅くすることができると言われている。
症状
脂肪肝は、半数以上が無症状である。しかし、進行すると肝炎、肝硬変や肝がんの原因となることがあるので注意が必要である。
検査・診断
脂肪肝の診断は、症状や身体診察に加えて、超音波検査やCT検査を用いて行う。
治療
治療は、第一に生活習慣の改善を行う。生活習慣の改善には、禁酒、カロリー制限、バランスの良い食事、有酸素運動などが含まれる。
予防
脂肪肝の予防策としては、下記のような対策が知られている。
- 食事の改善
- 食事の量を適切に調整する
- 糖質や脂質の多い食事を控えることが重要
- 果糖を多く含む清涼飲料水や缶コーヒー
- 果物の過剰摂取に注意
- 糖質や脂質の多い食事を控えることが重要
- ラードやバターなど動物性の油の摂取は控える
- 飽和脂肪酸が多いため
- 多価不飽和脂肪酸を多く含む青魚を積極的に摂取する
- ビタミンEを含む緑黄色野菜を積極的に摂取する
- 一日3食の栄養バランスの良い食事を心がける
- なるべく間食を摂らないようにする
- 食事の量を適切に調整する
- 節度ある飲酒
- アルコールの過剰摂取は脂肪肝の一因
- 適度な運動
- 適度な運動を行う
- 有酸素運動で体内の脂肪を燃焼させる
- ウォーキングやジョギング、水泳など
- 週3~4回、30分以上
- 午前中にしっかり活動する
- 運動などは午前中の方が良い
あとがき
脂肪肝は、生活習慣病の一種とされている。その理由は、脂肪肝は肥満や運動不足、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣に起因するものが多く、これらの原因により、肝臓に脂肪がたまってしまうことが多いからであるとされる。
また、脂肪肝の多くは、生活習慣病であるメタボリックシンドロームを合併しており、脂質異常症を起こしやすく、動脈硬化の原因になることが分かっている。
以上のことから、生活習慣を改善し、生活習慣病を予防すると共に脂肪肝の進行を抑制したいと思う。