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ストレスとは?要因と対処法?ストレスが原因の疾病

はじめに

会社員生活をリタイアして1年半以上が経過し、毎日をストレス・フリーで生活している私が、ストレスの話を書くのもどうかと思うが、ストレスは現代社会で生活する私たちの至る所で顔を出してくる。ストレスは、心理的・社会的なものばかりではないのである。

ストレスは、私たちの生活のあらゆる側面に影響を及ぼしていると言われる。例えば、ストレスは疾病の原因にも予後にも影響しているようだ。それは私たちの免疫機能に何等かの影響を及ぼしている可能性を示唆している。

ストレスはビジネス上の責任だけにつきまとう代物ではない。ストレスは、仕事だけでなく、私たちの健康、人間関係、さらには趣味にまで影響を及ぼす可能性がある。今まであまり深くは考えずに「ストレス」と一言で片づけてきたが、この際、ストレスの本質についてじっくり考えてみることで、日々の生活がより楽しくなるかも知れないと思うようになった。

ストレスの本質を理解することは、それを管理し、健康的な生活を送るための重要な一歩だと、人生の晩年に気付くとは我ながら呆れる。しかし、ストレスを理解し、それに対処する方法を学ぶことで、私たちはより充実した生活を送ることができるだろう。

目次
はじめに
ストレスとは
ストレスの要因
ストレスが原因となる疾病
ストレスを受けやすい人の特徴
ストレスを受けにくい人の特徴
ストレス耐性を決める要素
ストレスの対処方法
あとがき

ストレスとは

そもそも私たちが「ストレス」と呼んでいるものの正体は何なのだろうか?

ストレスの定義としては、「外部からの刺激によって体内に生じる反応のこと」を指している。この「外部からの刺激」とは、物理的な力や環境、あるいは心理的な要素など、さまざまな要因である。私たちはこのストレスの原因となる外的刺激を「ストレッサー」と呼ぶ。そして、このストレッサーに対する私たちの心身の反応を「ストレス反応」と呼ぶ。それは、一種の「防御反応」と言えるかもしれない。

つまり、ストレスとは、ストレッサーに対して私たちの体内でおきている「反応」のことである。

私たちがよく耳にする「ストレスを受ける」とは、外部からの刺激(ストレッサー)に対して、私たちの心身が反応を示す状態になっていることを指す。

ストレスが生じると、体内ではそれを解消しようとする防御反応が働くが、同じストレッサーでも受け止める人によって「よいストレス」になるか「悪いストレス」になるかが大きく異なる。

ストレッサーを制御できた場合は「適応」となるが、うまく制御ができなかった場合には「不適応」を起こして身体にさまざまな影響が現れるとされる。

ストレスは、特に「不適応」な反応は、私たちの心身や行動に多大な影響を及ぼす。だから、ストレスを適切に管理することが重要となる。それは、ストレッサーの制御方法を考えることと同義であるかも知れない。


ストレスの要因

ストレスの要因とは、つまりストレッサーと同義である。ストレッサーには、次のようなものがある。

  • 物理的なもの(暑さや寒さなど)
  • 化学的なもの(有害物質など)
  • 生理的なもの(病気や飢え、睡眠不足など)
  • 心理的なもの(不安・緊張・恐怖・怒りなど)
  • 社会的なもの(日常生活、社会的立場、人間関係など)

社会的なストレッサーとは、私たちの日常生活や社会的立場、人間関係を通じて受けるストレス要因を指す。例えば、次のようなものが社会的なストレッサーとされている。

  1. 職場関係
  2. 情報過多
  3. 経済問題
  4. 政治問題

職場関係では、仕事の量や質、対人関係などが心理的や社会的ストレッサーとなる場合がある。最近では、パワーハラスメントが人間関係の問題、従業員のメンタルヘルス不調に対する課題として注目されている。

情報過多も社会的ストレッサーとなり得る。市場のグローバル化が進んだ現代では、より多くのことを勉強する必要があるというプレッシャーを感じる。また、AI(人工知能)の発達や活用によって自分の業務が将来には通用しなくなってしまうのではないかと不安になったりすることがある。

経済問題とは、経済的(金銭的)な困難や不安定さもストレッサーとなり得る。さらには、政治的な不安定さや変動などの政治問題もストレッサーとなり得る。

これらのストレッサーは、個々の状況や経験により、その影響の度合いが異なる。ストレッサーと上手く付き合うためには、自分自身がどのような事柄に対してストレスを感じやすいのかを理解し、それに対する適切な対処法を見つけることが重要である。


ストレスが原因となる疾病

ストレスが原因となる可能性のある疾病は多岐にわたるらしい。例えば、下記のような心身に係わる疾病が該当する。

  1. 心の病
  2. 身体の病

勿論、これらの疾患はストレスが直接的な原因となるわけではない。ストレスが心身のバランスを崩すことで発症する可能性があると考えた方が良い。だからストレスを適切に管理し、健康的な生活を送ることが重要である。


ストレスを受けやすい人の特徴

同じストレッサーに対しても人によってストレスの受け方が異なる。ストレスを感じやすい人の特徴的な性格を知ることは、ストレスレベルを下げるのに役立つと思う。

ストレスを感じやすい人の特徴としては、下記のようなものが知られている。

  • 真面目な人
  • 責任感が強い人
  • こだわりが強い人
  • 気を遣いすぎる人
  • 先々の心配が強い人
  • 完璧主義な人
  • 感受性が強い人
  • 自信が持てない人

これらの性格は、それぞれが持つ強みもある。しかし、ストレス感受性に関しては、これらの性格の人はストレスを感じやすい傾向が大きいということである。そのため、自分自身の性格を理解し、自分に合ったストレス対処法を見つけることが重要となる。


ストレスを受けにくい人の特徴

一方、ストレスを受けにくい人(ストレス耐性が高い人)の特徴はどんなものであろうか?

下記のような性格を有する人がストレスを受けにくい傾向が高いとされている。

  • 自己肯定感が高い
  • 周りの評価を気にしない(自己評価が主軸)
  • 余計なことを考えたり、気にしたりしない
  • 集中力が高い(今すべきことに集中する)
  • マイペースを維持できる
  • ものごとを悲観的に考えない
  • ものごとを楽天的に捉えられる
  • 失敗も前向きに(成長の機会と)捉える
  • 長期的な視野を持つ
  • ストレス耐性が高い

これらの性格を生まれながらに持つ人は、確かにストレスを受けにくいと言えそうだ。しかしながら、ストレスを感じやすい人でも、自分自身を理解し、自分に合ったストレス対処法を見つけられれば、ストレスを効果的に管理することができるはずだ。つまりは、ストレス耐性を少しずつ身につけることだと思う。


ストレス耐性を決める要素

ストレス耐性とは、ストレスに対して適応し処理できるのか、どのくらい耐えられるかを指す。ストレス耐性を決める要素としては、次の6つの要素が知られている。

  1. 感知能力(ストレスを感じ取る能力)
  2. 回避能力(ストレスを回避する能力;性格が大きく左右)
  3. 処理能力(ストレスの要因を処理する能力・行動の差)
  4. 転換能力(ストレスをポジティブな事柄に転換する能力)
  5. 経験(過去にどのくらいのストレスを経験したか)
  6. 容量(ストレスを受け止められるキャパシティ)

ストレスの対処方法

ストレスの対処方法を戦略的に実行することで、ストレスレベルを効果的に管理し、より幸せで健康的な生活を楽しむことができるはずである。

ストレッサーの種類が多岐に及ぶので、それらからのストレスを適切に対処するための方法も多岐にわたる。例えば、下記のような方法がストレスの対処方法に挙げられている。

  • 良い時間管理を実践する
  • アクティブであり続ける
  • リラクゼーション法を実践する
  • 社会的つながりを維持する
  • 不健康な生活習慣を避ける
  • 専門家の助けを求める

良い時間管理を実践するとは、一日の計画を立て、タスクに優先順位を付け、最も重要性が高く、かつ、緊急性の高いタスクに最初に焦点を合わせることを指す。

定期的な身体活動(アクティブであり続けること)は、身体の自然な心地よい化学物質であるエンドルフィンが脳内で放出されるので、ストレスレベルを下げるのに役立つと言われている。

適切なリラクゼーション法(例えば、深呼吸、瞑想やヨガなど)を実践すると、心を落ち着かせ、ストレスレベルを下げるのに役立つ。

愛する人や心が通じ合う人と時間を共有し、自分自身が楽しむ活動に従事すること(社会的つながりを維持する)は、ストレスレベルを減らし、気分を改善するのに役立つ。

過度のアルコールやカフェインの摂取、喫煙、過食など不健康な生活習慣を避けることは、ストレスレベルを減らし、健康に良い影響を与える。

慢性的なストレスを経験している場合、あるいは自分でストレスを管理できない場合は、メンタルヘルスの専門家に助けを求めることも検討してみるとよい。

ストレスは溜めこまないことが肝要である。ストレスは小さいうちに解消することがポイントとなる。

誰にでも簡単にできるストレス対処法、つまりは心身ともにリラックスできる方法あるいはストレスの発散する方法は、例えば次のようなものが知られている。

  • 湯船に浸かってリラックスする
  • 温泉地への旅行でスパツーリズムの効用を活用する
  • アロマの香りを楽しむ
  • クラシック音楽を聴く
  • 部屋を掃除したりして気分転換する
  • 自分の思いや感情を紙に書き出して、ストレスを発散する
  • 映画やドラマなどを見て、思いっきり泣く(感情を素直に出すことで、ストレスを発散できる)
  • 週に2〜3回は適度に運動をする(からだを動かせば、ストレスを発散し、気分をリフレッシュできる)
  • カラオケに行き、大声を出すとストレスを発散できる
  • 気の合う仲間と会話を楽しむ(友人や家族とのおしゃべり)
  • 仲の良い人と会話を楽しむ
  • リラックス効果のあるハーブティーを飲む
  • スマホやパソコンなどデジタルデバイスを見ない時間を作り、目や頭への負担を軽減する
  • 趣味や気晴らしに没頭する(自分の好きなことに集中することで、ストレスを忘れ、リラックスすることができる)
  • 美味しいものや好きな食べ物を食べることで、一時的にはストレスを忘れることができる。但し、食べ過ぎには注意!
  • 自分に合ったリラクゼーションで心身を回復する
  • 十分な睡眠で休息をとる

これらの方法は、誰でも簡単に試すことができるが、ストレスの対処法は個々の状況や好みによる。だから、自分に合った方法を見つけることが重要である。自分に合わない方法は、却ってそれらがストレッサーになり、元も子もなくなってしまう。


あとがき

現代社会は、経済的にも技術的にも高度に発展して便利な生活ができている一方で、私たちは日々、さまざまなストレスを受けて生活をしている。例えば、情報化社会においてSNSから受けるストレスや、新型コロナ禍による日常生活の変化、リモートワークの普及による労働環境の変化や雇用状況の悪化によるストレスなど、枚挙にいとまがない。まさしく現代社会は、ストレス社会という大きな課題を抱えている。

だから、現代社会ではストレスと上手くつきあうための方法、それも自分自身に合った方法を早くみつけて、ストレスに対処していくことが肝要である。

それには、ストレスの原因を突き止め(ストレッサーを特定し、理解して)、それを改善することである。そして、ストレスを軽減する方法は、嫌なことがあってもポジティブな解釈をする習慣を身に付けることである。これは日頃から意識的に試みていれば、それほど難しいことではなく、誰にでも身につく。

仕事に対しては目的意識を持ち前向きに仕事に取り組むことはビジネスパーソンに求められる気質である。私の経験から言えることは、目的意識を持つことで、仕事に対するストレスを軽減することができる。仕事を楽しんでやれているうちは、仕事は決してストレッサーにはならない。目的意識を持つことで、モチベーションを高め、それを維持できているうちは、仕事は趣味のように楽しいものである。仕事が趣味のようなものになれば、仕事は決してストレッサーにはならない。私はこの点では恵まれていたのかも知れない。

しかしながら、世の中には、仕事あるいは職場でストレスを受ける方は圧倒的に多いらしい。そういう方には、ストレスを感じないように周囲の環境を整えることが良いとされている。それがどのような環境かは個人によってことなるので一般化は難しいが、確かに自分にとって快適な環境を作ることができれば、ストレスを軽減することができるだろう。

私の経験から言えることは、てっとり早いストレス解消法は睡眠である。十分な睡眠と休息は、ストレスを軽減し、心身を回復するのに役立つ、最も効果的なストレス解消法の一つである。快適な睡眠がとれなくなると重症化していると言ってよい。そうならないためにも日頃から意識的に休息をとって、ストレス解消をこまめに実施しよう。

繰り返しとなり恐縮であるが、ストレスの対処方法は個々の状況や好みによる。だから、自分に合った対処方法を見つけることが肝要であると思う。これは、ストレス社会と呼ばれる現代社会を生きる術【すべ】、あるいは智惠と言って良いかも知れない。


【参考資料】
ストレス | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
メンタルヘルスの専門家が勧める効果的なストレス解消法

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