はじめに
過換気症候群(過呼吸症候群)は、不安や緊張などの強い精神的ストレスが原因で、息を何回も激しく吸ったり吐いたりする状態(過呼吸状態)になることで生じると言われている。
また、運動直後や過度の不安や緊張などから引き起こされる場合もあるらしい。それに、神経質な人、不安症な傾向のある人、緊張しやすい人などで起きやすいとされている。特に10~20歳代の若い女性に多くみられることも特徴的である。
過換気症候群は、特に病気がなくても起こるが、心臓や呼吸器の病気、パニック障害などの症状として起こることもあるからその見極めが大切となる。
<目次>
はじめに
過換気症候群(過呼吸症候群)とは
原因
症状
検査・診断
治療
予防
あとがき
過換気症候群(過呼吸症候群)とは
過換気症候群(過呼吸症候群)は、不安や緊張などの精神的ストレスが原因で、息を何回も激しく吸ったり吐いたりする状態(過呼吸状態)になることで生じるさまざまな症状を指す病態である。
原因
過換気症候群(過呼吸症候群)は、過呼吸によって体内の二酸化炭素が減少することが原因と言われている。
血液がアルカリ性に傾くと、脳はバランスを取るために呼吸をゆっくりにするよう信号を出す。しかし、呼吸しようとしても呼吸がしにくいと感じて、息苦しさからいっそう不安感が強まる。
過呼吸状態になると血液中の二酸化炭素濃度が減少してしまい、体内がアルカリに傾く。そうすると血管が収縮したり、血液中のカルシウム濃度が低下したりして、さまざまな症状が出現するとされる。
症状
呼吸困難、手足の指先や口のまわりのしびれ、テタニー症状(筋肉の持続的な硬直・けいれん)、頭痛、めまい、動悸、胸部圧迫感、吐き気、失神などがみられる。
これらの症状は、通常は、呼吸をゆっくりにするだけで数十分以内にはおさまる。
検査・診断
治療
過換気症候群(過呼吸症候群)の主な治療法は下記のようなものである。
- ゆっくりと呼吸する
- 過呼吸によって体内の二酸化炭素が減少し、息苦しさ、手足や口周りの痺れ、動悸などの症状が出現する
- 落ち着いてゆっくりと呼吸をすることが一番の治療法
- ペーパーバッグ再呼吸法
- 紙袋などに口鼻をつけた状態で呼吸を繰り返す
- 自分の吐いた二酸化炭素が多く含む吐息を再び吸い込むことで、二酸化炭素不足を防ぐことができる
- 紙袋などに口鼻をつけた状態で呼吸を繰り返す
- 内服治療
- 精神的要因で過呼吸が起きた場合、抗不安薬などを処方
過換気症候群(過呼吸症候群)の人は、強い不安を感じていることが多く、症状がさらに悪くなってしまう悪循環に陥っていることが多い。だから一般的にはリラックスすることで症状は改善するはずである。
横隔膜を使った腹式呼吸で、ゆっくりと息を吐くようにすると改善しやすくなる。それでも改善しない場合は、抗不安薬の内服や点滴を行なう場合がある。
適切な診断と治療により、QOL(生活の質)を向上させることが可能となる。具体的な症状や心配事がある場合は、早めに医師に相談することである。
予防
過換気症候群(過呼吸症候群)の予防策としては、下記のような対策が知られている。
- 規則正しい生活をする
- 体内時間を正常に保つため規則正しい生活を心掛ける
- マイペースな生活習慣を心掛ける
- ストレスを感じやすい人はマイペースな生活をする
- 可能な限りマイペースな生活習慣を心掛ける
- 水泳での呼吸法を身につける
- 水泳での呼吸法(潜ったり・息止め)を身につける
- 生活習慣に取り入れることも効果的
- リラクゼーション
- ストレスや不安を感じたときのストレス管理
- リラクゼーション法を用いる
あとがき
過換気症候群は、ストレスや不安、緊張などの精神的な要素が原因で、過度の呼吸(過呼吸)が引き起こされる状態を指しており、この過呼吸によって体内の二酸化炭素が減少し、血液がアルカリ性に偏り、血管が収縮したり、血液中のカルシウム濃度が低下したりする。
過換気症候群(過呼吸症候群)は、ストレス管理と深く関連しているらしい。ストレスが原因で過呼吸が起こるメカニズムは、ストレスや不安などにより心が不安定になると、自律神経や呼吸中枢に影響が現れ、早く浅い呼吸となり息苦しさを感じるからである。また、肉体的な疲労や睡眠不足も過呼吸の発作を引き起こす原因となるらしい。したがって、予防や管理には、ストレス管理が重要となる。
過換気症候群の発作が起こったときは、落ち着いて対処し、適切な呼吸法を用いることが大切であるとされる。さらには、日頃からリラクゼーション法を習得しておくことや、心理的な葛藤やストレスを解決するための心理療法を学んでおくことも有効であるかも知れない。