はじめに
緑内障は、眼圧が異常に高くなることで視神経が損傷し、視野が狭くなったり、視力が低下するなどの症状が現れる眼の病気である。放置しておくと、症状が進行し、最終的には失明に至ることがある怖い病気である。
緑内障の発症は、加齢とも関係がある。一般的に中高年以上に多く発症し、加齢に伴って患者が増えるとされている。40歳以上の約5%の日本人が緑内障を患っていると推定されており、17人に1人が発症してしまうほど発症率の高い眼の疾患と言われている。また、60歳以上では約10%、70歳以上では約16%と有病率が高くなり、加齢に伴って発症することが明白である。
緑内障の発症リスクが加齢によって高まるということは、私たちシニア世代にとっては、決して対岸の火事ではないということである。予防策があるなら即実践したいものである。
緑内障とは
緑内障は、眼圧が異常に高くなることで視神経が損傷し、視野が狭くなったり、視力が低下するなどの症状が現れる眼の病気である。
原因
緑内障の主な原因は、眼圧が異常に高くなることである。この眼圧の増大によって視神経が傷つき、脳に伝達される視覚神経刺激の機能が低下し、視野が狭くなったり、視力が低下するなどの症状が現れる。
眼圧の正常範囲は、10〜20mmHgとされており、20mmHgを大きく超えるような眼圧が続くと視神経が障害される可能性が高くなるとされる。しかしながら、どのくらいの眼圧に視神経が耐えられるかは大きく個人差があるらしい。そのため、眼圧が高くても視神経の障害が起きない人もいれば、反対に眼圧が正常範囲にあっても視神経の障害が進む人(正常眼圧緑内障)もいるという。厄介な眼の病気である。
緑内障発症の危険因子とされているものには、遺伝やストレス、スマホやゲームなど目を酷使するといった生活習慣があるということだ。その他には、老化、生活環境や近視、薬の影響など、さまざまな要素が緑内障の発症に影響を与えると言われている。
ストレスは、自律神経系のバランスを崩すので、視神経や網膜への血流が悪くなり、視神経に障害が出る可能性がある。またストレスによる睡眠不足は、眼圧上昇の原因となり得るらしい。
症状
緑内障の初期症状はほとんどない。しかしながら、病気が進行すると視野が狭くなり、最終的には全盲に至ることがある。その他の症状には、視力の低下、視野の狭窄、視野の欠損などがある。
検査・診断
緑内障の検査には、眼圧の測定、視野検査、視神経の検査などが含まれる。これらの検査結果に基づいて緑内障の存在と進行度を眼科の専門医が診断する。
治療
緑内障の治療法には、眼圧を下げることを目的とする薬物治療、レーザー治療や手術がある。
薬物治療は、眼圧を下げる薬を使用する。レーザー治療は、眼圧を下げるために眼の流出路を改善する。手術は、新たな流出路を作成することで眼圧を下げる。
予防
緑内障は、視神経が障害されることで発症するが、その原因とされる眼圧が高くなる原因が明確には分かっていないため、緑内障に確実に予防できる方法は確立されていないという。定期的な眼科検診が重要であり、早期発見・早期治療が肝要であるということらしい。
しかしながら、少しでも予防できる可能性のある緑内障の予防策には、健康的なライフスタイルを維持し、適度な運動を行うことが推奨される。
- 定期的な眼科検診
- 定期的に眼科検診を受けて早期発見と早期治療に備える
- 白内障と異なり、発症したら治療で完治させられない
- 早期発見・早期治療で進行を遅らせることが重要
- 健康的な生活習慣
- 高血圧や糖尿病などの生活習慣病を予防
- 普段から良質で充分な睡眠
- 栄養バランスの良い食事
- ウォーキングなど適度な運動
- 規則正しい生活をおくる
- 禁煙
- 喫煙は若年層の緑内障発症にも繋がりやすい
- 青菜類の摂取
- 青菜類の摂取量を多くする
- 硝酸塩は、血流量を増やして血液循環を良好にする
- 原発性開放隅角緑内障の発症リスクが20~30%低下
- 青菜類の摂取量を多くする
あとがき
緑内障になりやすい生活習慣、つまり眼圧を上げやすい生活習慣というものがあるらしい。それに該当する生活習慣は下記のようなものである。
- 枕が高い
- 目への血流が悪くなり、眼圧が上がる
- うつ伏せ寝
- 眼球が圧迫されて、眼圧が上がる
- いびき
- 睡眠時無呼吸症候群の患者では、就寝時に息が止まると目への血流が悪くなり、眼圧が上がる
- 長時間下を向く
- 下を向く姿勢は、目への血流が悪くなり、眼圧が上がる
- スマホやパソコンの操作・デスクワークなど
- 下を向く姿勢は、目への血流が悪くなり、眼圧が上がる
- 喫煙
- 喫煙は、目の血管を収縮させるため、眼への血流が悪くなる。活性酸素が発生し、目の組織を傷める。
これらの生活習慣を改善すれば眼圧を上げないので緑内障の発症リスクを低減できるかも知れない。
先日、何年振りかで眼科を受診する機会があり、ついでに視力をはじめ、緑内症や白内障についても詳しく検査してもらった。おかげ様で、現時点では眼に異常は見つからなかったが、今後は定期的に眼科でも検診を受けようと思う。待合室には溢れるほどの患者がおり、その大半は私と同じシニア世代である。加齢に伴い、眼の病気が発症しやすくなっているという証左でもある。