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レギュラトリーサイエンス 神経疾患

ニューロキニン3(NK3)受容体拮抗薬の利用による更年期障害治療薬の開発

はじめに

更年期障害の血管運動神経症状(Vasomotor Symptoms;VMS)の主症状はホットフラッシュ(ほてり、熱感)や寝汗が出ることである。このホットフラッシュは、欧米人の方がアジア人よりも症状が重いのだという。それがこの分野における新薬開発が日本で進捗しない理由であるのかも知れない。

高選択的ニューロキニン3(NK3)受容体拮抗薬は、エストロゲン減少に伴う体温調節不全を起因とする更年期障害、特にホットフラッシュや発汗などの症状に対し、ホルモン治療に代わる新たな治療選択肢(非ホルモン治療)として注目されている。

高選択的NK3受容体拮抗薬の代表的な開発候補品であるVEOZA™ (Fezolinetant)は、Phase IIおよびPhase III試験で有望な結果を示すことに成功しており、欧米を中心としたNDA申請が進む中、承認を取得したというニュースを私は最近になって知った。

Fezolinetantは、日本のアステラス製薬が世界に先駆けて開発した新薬である。そのため更年期障害の血管運動神経症状(VMS)の第一選択薬として汎用されるようになると期待される。一方、ドイツのバイエル社も同様の新薬 Elinzanetant を欧米で開発中である。但し、Elinzanetantの場合は、一般的にはデュアル型のNK1/NK3受容体拮抗薬として分類されることが多い。

この分野の進展は、更年期障害に悩む多くの女性にとって、ホルモン補充療法以外の選択肢を提供する可能性があり、今後も注目される研究領域と言える。一方で、欧米での承認から日本国内での承認までの時間差が大きい、いわゆる「ドラッグ・ラグ問題」が懸念される。更年期のVMSのような生命に直接関わらないような疾患だとなおさら日本では新薬開発が進まないのではないかと懸念される。

目次
はじめに
NK3受容体拮抗薬の作用機序
NK3受容体拮抗薬の開発候補
Fezolinetantの作用機序及び臨床評価
Fezolinetant(フェゾリネタント)の作用機序
Fezolinetant(フェゾリネタント)の臨床評価
Elinzanetantの作用機序及び臨床評価
Elinzanetant(エリンザネタント)の作用機序
Elinzanetant(エリンザネタント)の臨床評価
フェゾリネタントとエリンザネタントの比較
あとがき

NK3受容体拮抗薬の作用機序

近年の研究により、脳の視床下部に存在するKNDy(Kisspeptin, Neurokinin B, Dynorphin)ニューロン系が、体温調節や性ホルモン分泌の調整に深く関与していることが明らかになった。

つまり、体温調節中枢はKNDyニューロンに支配され、NK3受容体で作用するneuropeptide neurokinin Bによって刺激され、エストロゲンによって抑制されるという。

このニューロキニンB(Neurokinin B)とその標的であるNK3受容体は、更年期におけるエストロゲン減少に伴うホルモンバランスの乱れを反映し、体温調整が不安定になる原因と考えられている。

女性の更年期移行期においてエストロゲンレベルが低下すると、neurokinin 3 (NK3)受容体介在の活性化が無制限となり、KNDy ニューロンの肥大化と体温調節中枢への異常な活動を引き起こすとされる。体温調節中枢は熱の放散を引き起こす効果器を活性化し、皮膚の血管拡張により熱が放出されると、これがホットフラッシュ、汗、寒気として感じられるようになる。

高選択的NK3受容体拮抗薬は、この経路をブロックすることで、体温調節機構を安定化し、ホットフラッシュや発汗などの症状を改善する作用が期待されている。つまり、NK3受容体拮抗薬は、更年期障害の治療において非常に有望な治療薬として研究されている。

また、NK3受容体拮抗薬はノルアドレナリンの再取り込みを促進することで、ホルモンバランスを調整する役割を果たすため、更年期障害に伴う症状の緩和に効果があるとして期待されている。

さらに、NK3受容体拮抗薬は、他のホルモン疾患の治療にも応用される可能性があり、その研究は進行中である。


NK3受容体拮抗薬の開発候補

ニューロキニン3(NK3)受容体拮抗薬は、性ホルモンのフィードバック制御や体温調節、情動・認知機能に関与していることから、神経精神疾患やその他の内分泌領域に対する応用が模索されている中、更年期障害の血管運動神経症状(VMS)を緩和させることを目的とした治療薬の開発候補品は限られている。

最新の学会報告や製薬企業のプレスリリース、専門誌のレビュー記事などを通じて私が知る限りでは、Fezolinetant(アステラス製薬)とElinzanetant (バイエル社)の他に、SJX-653が存在する。

SJX-653は、NK3受容体に対する選択的な拮抗作用を背景に、更年期症状などの治療に向けた新しいアプローチとして大きな期待が寄せられており、今後の研究発表が注目されるが、現時点では公開情報が限られているので、本稿では取り上げようがない。


Fezolinetantの作用機序及び臨床評価

Fezolinetantは、高選択性NK3受容体拮抗薬であり、主に更年期障害に関連する血管作動性症状、特にホットフラッシュや、睡眠障害の改善を目指して開発されている。

Fezolinetantの作用機序は、視床下部のNK3受容体をブロックすることで、閉経に伴う性ホルモンのフィードバック異常を是正する点に特徴がある。

また、臨床試験での効果と安全性のデータは、従来の治療法に比べて有望であり、将来的に更年期症状改善の新たな標準治療となる可能性を秘めている。


Fezolinetant(フェゾリネタント)の作用機序

1. NK3受容体との結合

Fezolinetantは、神経ペプチドであるニューロキニンBが結合するNK3受容体に対して高い親和性を持ち、これに結合することで受容体をブロックする。

ニューロキニンBは、下垂体前葉や視床下部に存在し、性ホルモンの分泌や体温調節に関与する神経回路を介して作用している。

2. 更年期症状の改善メカニズム

閉経が近づくと、エストロゲンの低下が視床下部における性ホルモンフィードバックを変化させ、NK3受容体活性の亢進が見られるとされている。

FezolinetantがNK3受容体を効果的に遮断することで、視床下部の神経ネットワークにおける異常な活性化を抑制し、それに伴ってホットフラッシュや関連する症状(例えば睡眠障害)が軽減されると考えられている。

この作用は、他のシステム(例えばGnRH系)に直接関与しないため、比較的副作用プロファイルが好ましい可能性が示唆されている。


Fezolinetant(フェゾリネタント)の臨床評価

1. 臨床試験フェーズ

Fezolinetantは、閉経後の女性におけるホットフラッシュの改善を目的として、臨床試験の各段階で評価が進められてきた。

複数の無作為化比較試験(RCT)において、プラセボ群と比較してホットフラッシュの頻度や重症度の大幅な改善効果が報告されている。

特に、Phase IIおよびphase IIIの試験では、症状改善の程度、安全性、忍容性について評価されている。

Phase IIで有望な結果が得られ、その後のPhase III(例えば、SKYLIGHT1やSKYLIGHT2)でも有効性と共に、安全性や忍容性が確認された。その結果を受け、欧米を中心に規制当局へのNDA承認申請も進められ、承認を受けている状況である。

2. 効果の評価

初期の臨床試験においては、プラセボ対照試験で有意なホットフラッシュの頻度低下や強度の改善が確認され、また睡眠の質向上に寄与する可能性も示された。患者が報告する症状の改善に加えて、血中ホルモン濃度の変動などの生物学的マーカーも評価されている。さらに、視床下部の神経内分泌系統がどの程度調整されるかが検証されている。

画像
52週間の治療期間中の中等度及び重度のVMSの平均(A)頻度及び(B)重症度(FAS及びFAS-フェゾリネタント曝露) Abbreviations: FAS, full analysis set; VMS, vasomotor symptoms.
出典: https://doi.org/10.1210/clinem/dgad058

Fezolinetantは、NK3受容体拮抗薬としては、初めて、更年期に伴う血管運動神経症状(VMS)に対する治療薬としてFDAの承認を獲得した薬剤となった。

3. 安全性と副作用

Fezolinetantは、他の神経ペプチド受容体(例えばNK1やNK2)への影響が少ないことから、内分泌系における他の調整メカニズムに不要な干渉を及ぼさず、比較的良好な忍容性が報告されている。臨床試験では、肝機能や心血管系などへの影響にも注意が払われ、用量依存性の副作用などもモニタリングされている。

Fezolinetantはホルモン剤ではないので、膣出血、脳卒中、心臓発作、血栓、肝臓疾患の既往歴があるなど、ホルモン剤が禁忌とされている女性でも服用できるとFDAは述べている。

4. 製品化への展望

近年のデータでは、Fezolinetantは更年期症状の根本的な原因に働きかける新たな治療選択肢として位置付けられており、従来のエストロゲン療法やその他のホルモン代替療法に対する代替手段、あるいは更年期障害の血管運動神経症状(VMS)の第一選択薬として汎用されるようになると期待される。

実際、複数の国でNDA承認申請が進行しており、世界に先駆けて欧米で承認されている。今後、日本を含む、他の国でもNDA承認申請が進行するものと期待される。

尚、Fezolinetant(フェゾリネタント)は錠剤(含量 45mg)として製剤化されている。


Elinzanetantの作用機序及び臨床評価

ドイツのバイエル社もfezolinetantと同様の作用をもたらすelinzanetant という薬を開発中である。

Elinzanetantは、複数あるKNDyニューロンの受容体のうち、NK3受容体だけでなく、NK1受容体に対しても拮抗作用を持つという点で注目されている。

Elinzanetantは、欧州とカナダにおいて第III相試験(OASYS)が実施され、2024年に完了している。


Elinzanetant(エリンザネタント)の作用機序

デュアル受容体拮抗作用

Elinzanetantは、NK3受容体に対する拮抗作用を基本としながらも、NK1受容体にも拮抗する性質を持っている。

NK3受容体

NK3受容体は、脳の視床下部などの中枢神経系に存在し、性ホルモンのフィードバック制御や体温調節、血管作動性症状(例えばホットフラッシュ)の発現に深く関与している。

閉経に伴うエストロゲン低下時、NK3受容体系の過剰な活性化がホットフラッシュの原因の一端として考えられており、これを遮断することにより症状の改善が期待される。

NK1受容体

Neurokinin 1(NK1)受容体は、タキキニンペプチドの1つであるサブスタンスPと高い親和性を有するGタンパク質共役型受容体である。

中枢のみならず末梢にも存在し、サブスタンスPとの結合により様々な情報伝達系を活性化し、複数のイオンチャネルを修飾して疼痛、神経原性炎症、情動等の広範囲な生理機能と疾患病態に関与しているとされる。

ElinzanetantのNK1受容体への拮抗作用は、主に神経伝達物質であるサブスタンスPを媒介するシグナル伝達に影響を及すと言われている。これにより、気分やストレス反応、睡眠などにも何らかの効果が現れる場合があり、両受容体に作用することでより広範な症状改善(例えば、ホットフラッシュだけでなく月経関連症状や情動面の改善)を狙っているという。

このように、Elinzanetantは単一の受容体をターゲットにするのではなく、NK3とNK1の双方をブロックすることで、高選択性のNK3受容体拮抗薬であるFezolinetantにはない多角的な作用を示す可能性があると考えられている。

神経内分泌系への影響

NK3受容体は、視床下部-下垂体-性腺軸(HPG軸)の調整に関与しており、その過剰な活性化は閉経に伴うホルモン環境の変動や血管作動性症状に結び付いているとされている。

HPG軸(視床下部-下垂体-性腺軸)は、生殖内分泌系の重要な制御システムである。視床下部からゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH;性腺刺激ホルモン放出ホルモン)が分泌され、これが脳下垂体から性腺を刺激するホルモン(LHやFSHなど)の放出を調節する。

Elinzanetantは、これらの経路に介入することで、ホットフラッシュの頻度および重症度の軽減に寄与する狙いがあるという。


Elinzanetant(エリンザネタント)の臨床評価

初期臨床試験の成果

初期(PhⅠ/PhⅡ)試験では、Elinzanetantは比較的良好な安全性と忍容性を示しているとの報告がある。用量漸増試験において重大な副作用はほとんど認められず、体内での薬物動態も治療に適したプロファイルを描いているとされている。

有効性

初期の有効性評価では、特に閉経後の女性におけるホットフラッシュなど血管作動性症状の軽減に関して、プラセボ対照試験で統計的に有意な改善が認められた可能性が示唆されている。より詳しく言えば、第Ⅱb相試験(SWITCH-1)においてプラセボと比べて、VMSの頻度および重症度の有意な改善が示されている。

中等度~重度のVMSに対するElinzanetant の有効性と安全性を検討する第Ⅲ相試験(OASIS1およびOASIS2)の結果においても主要評価項目(4週時および12週時におけるVMSの頻度と重症度のベースラインからの平均変化量)の改善が認められたという。

さらに、NK1受容体への作用が加わることで、気分や睡眠の質、さらには全体的な生活の質(QOL)の向上といった副次的なメリット(睡眠障害の改善)も示唆され、より包括的な症状改善が期待されている。

このように、バイエル社が開発中のElinzanetantが、第3相臨床試験(OASIS 1およびOASIS 2)で主要評価項目および副次評価項目を全て達成したことは喜ばしい。

今後の評価課題

現段階では、Elinzanetantについては初期の臨床試験結果が示す有望な安全性および有効性を背景に、さらなる大規模かつ長期的な試験が必要とされている。

具体的には、用量最適化、長期安全性の確認、さらにはNK1拮抗作用の臨床的意味合い(例えば、情動面や睡眠面での具体的な効果)が、今後の試験で明らかにされることが望まれている。


FezolinetantとElinzanetantの比較

Fezolinetantは、非ペプチド性のNK3受容体拮抗薬として開発され、非常に高い選択性を誇る。主に視床下部でのNK3受容体をブロックすることで、エストロゲン低下に伴う異常な神経回路の活性化を抑制し、これがホットフラッシュなど血管作動性症状の発現に寄与する仕組み(作用機序)となっている。

NK3受容体への高選択性により、他の関連受容体(たとえばNK1やNK2)への影響が最小限となるため、副作用プロファイルを改善できる可能性が高い。

一方、Elinzanetantは、NK3受容体への拮抗作用に加えて、NK1受容体にも拮抗する特性がある。NK3受容体のブロックによるホットフラッシュの改善に加え、NK1受容体経路の遮断が、痛み、情動、睡眠障害など他の神経伝達系(例えばサブスタンスPを介する経路)にも影響を及ぼすことが期待される。このため、ElinzanetantはFezolinetantよりも、より包括的な症状改善(例えば、情動面や睡眠の質向上)を狙える可能性がある。

安全性の評価において、Fezolinetantは、その高選択性に起因する対象受容体以外へのオフターゲット効果が比較的少ないため、これまでの臨床試験では良好な忍容性が報告されている。臨床試験においては、肝機能や心血管系などの安全性パラメータに注目した評価が行われ、重大な副作用は認められていない例が多く見受けられる。

一方、Elinzanetantは、NK3受容体に加えてNK1受容体もターゲットとするため、これに伴う副作用の可能性も考慮する必要がある。NK1受容体は、例えばサブスタンスPを媒介する神経伝達に関与するため、吐き気や情動変動、睡眠パターンの変化など、複合的な副作用が現れるリスクが理論上(潜在的に)存在する。

Elinzanetantの初期臨床試験およびPhase III試験においての忍容性は概ね良好と報告されているものの、デュアル作用のため効果と副作用のバランスについては今後の大規模試験での詳細評価が必要であるかも知れない。

Fezolinetantの化学構造式
Elinzanetantの化学構造式

Fezolinetantは、非ペプチド性の高選択性NK3受容体拮抗薬として、化学構造や受容体結合親和性が最適化されている。一方、Elinzanetantは、同じく非ペプチド性であるが、NK3受容体だけでなくNK1受容体への結合も求められるため、分子設計がより複雑になっている。


あとがき

閉経後女性の多くはさまざまな更年期症状を経験し、頻度は血管運動神経症状(VMS)で80%、睡眠障害で60%と推定されている。このような更年期症状は日常生活への支障、生産性の低下を介してQOLに悪影響を及ぼし、心血管イベントリスクの上昇、抑うつ症状や認知機能低下などの有害転帰とも関連する。しかしながら、Fezolinetantを代表とするNK3受容体拮抗薬がVMS治療薬として登場するまでは有効性が確立された治療法が存在しなかったというのは意外であった。

更年期障害のVMSは、一般的で煩わしい症状であり、閉経の前後で何年も続くことがあるという。VMSは、ホットフラッシュを特徴とし、更年期移行期の多くの女性に影響を与えるらしい。

10カ国からのデータを検討した国際共同研究では、50代後半の女性のVMSの有病率が30%から50%であることが分かっている。VMSは中央値で7.4年持続し、睡眠と生活の質(QOL)に大きな影響を及ぼし、疲労感や気分の変化を引き起こし、仕事や人間関係に影響を及ぼすことがあるとされる。

エストロゲン単独、あるいはプロゲストーゲンを追加したホルモン療法は、VMS管理に効果的な選択肢となっている。しかし、基礎疾患やリスク因子、年齢、更年期からの経過時間、または好みにより、すべての女性に適しているわけではないという。したがって、更年期に関連するVMSの緩和のための安全で効果的な、特定の非ホルモン療法が求められている。特に、VMSに主に苦しんでいて、ホルモン療法を服用できない、または服用したくない女性にとっては置かれた状況は深刻である。

更年期障害に伴う中等度から重度の血管運動神経症状に対するfezolinetantの有効性と安全性を評価した臨床試験で、VMSの頻度と重症度が急速かつ大幅に減少し、健康関連QOLの改善につながることが示された。

Fezolinetantは、更年期に関連する中等度から重度のVMSの可能な治療法で、ホルモン非依存性で、選択的なneurokinin-3(NK3)受容体拮抗薬であり、KNDyニューロン上のNKBの結合を阻害し、体温調節中枢の正常な感受性を回復させるという。

Fezolinetantは、欧米では、新薬として承認されているが日本国内での承認は、まだ先のようである。国内におけるfezolinetantの臨床試験は第II相bまで進んだところであり、米国で実施されたPhase III(例えば、SKYLIGHT1)と同様の二重盲検プラセボ対照試験を実施するとなると数年以上を要するだろう。

一方、Elinzanetantは、NK3受容体およびNK1受容体に対するデュアルな拮抗作用を持つことで、閉経に伴うホットフラッシュなどの血管作動性症状の改善を狙う新しい治療薬候補である。

初期臨床試験では安全性・忍容性ともに良好な結果が得られており、有効性に関しても期待が寄せられている。ただし、今後の大規模試験で長期間の効果や副作用、そして両受容体ブロックによる総合的な治療効果が確認される必要がある。

さらに、Elinzanetantのデュアル作用が、Fezolinetantに比較して臨床的メリットを持つかについても、今後の試験結果や解析から詳細な知見が得られることが期待される。


【参考資料】

VEOZA™ (fezolinetant)閉経に伴う中等度から重度の血管運動神経症状の治療薬として欧州で承認取得
VEOZAH (フェゾリネタント:FEZOLINETANT) | クスリネット
A Study to Find the Best Dose of Fezolinetant to Treat Hot Flashes in Women Going Through Menopause (Starlight). ClinicalTrials.gov
A Study to Learn More About How Well Elinzanetant Works and How Safe it is Compared to Placebo for the Treatment of Hot Flashes Caused by Anti-cancer Therapy in Women With, or at High Risk for Developing Hormone-receptor Positive Breast Cancer (OASIS-4). ClinicalTrials.gov
Elinzanetant (NT-814), a Neurokinin 1,3 Receptor Antagonist, Reduces Estradiol and Progesterone in Healthy Women – PubMedNK1,3 receptor antagonism with elinzanetant dose-dependentlypubmed.ncbi.nlm.nih.gov
Efficacy and safety of elinzanetant, a selective neurokinin-1,3 receptor antagonist for vasomotor symptoms: a dose-finding clinical trial (SWITCH-1)SWITCH-1 was a phase 2b study assessing the efficacy, safety,www.ncbi.nlm.nih.gov
Lancet. 2023 Apr 1;401(10382):1091-1102
Pharmacodynamic Activity of the Novel Neurokinin-3 Receptor Antagonist SJX-653 in Healthy MenSJX-653 is a novel neurokinin 3 receptor (NK3R) antagonist. Twww.ncbi.nlm.nih.gov