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地図状萎縮(GA)とは?原因と症状は?治療と予防策

はじめに

地図状萎縮(Geographic Atrophy, GA)は、加齢性黄斑変性症(AMD)の一部の患者に見られる病状で、網膜の特定の領域が萎縮(細胞が無駄になって死ぬ)している状態を指す。

この萎縮状態の領域は網膜を検査している眼科医には地図のように見えることから、地図状萎縮(GA)と名付けられたという。

GAの主な症状は、視力の低下や視野の欠損であり、最初の症状は、単語の1つまたは複数の文字が「欠落している」ときに、読書中に見つかる可能性があるという。また、顔を見ると、顔のごく一部が見えない場合もあるらしい。

通常、GAが発症すると、萎縮の領域は、中心視力が失われ、視力が約0.1になるまで、数年にわたってゆっくりと拡大するが、周辺視野には影響しないという。

GAは、AMDの一部の患者に見られる病状であるため、患者は高齢になればなるほど増えると言われている。加齢がGAの発症リスクを高める重要な要素である以上、GAは私のようなシニア世代にとって決して対岸の火事ではない。

目次
はじめに
地図状萎縮とは
原因
症状
検査・診断
治療
治療薬の開発状況
パイプライン治療薬
予防
あとがき

地図状萎縮とは

地図状萎縮(GA;geographic atrophy)とは、加齢黄斑変性(AMD)が進行し、網膜の外側の細胞が衰えていく疾患である。加齢黄斑変性とは、加齢に伴い眼の網膜にある黄斑部が変性を起こす疾患で、失明の原因となり得る怖い病である。

GAは視力を奪うが、低視力治療と埋め込み型小型望遠鏡の進歩などの新しい治療法によって、将来的には患者は網膜機能の低下に適応することができるようになるという。新しい治療法は、まだ臨床試験中または米国国立衛生研究所(NIH)や財団が資金提供する研究所で試験されている段階である。

GAの有病率の増加、病態生理に対する理解の深まり、根治療法の開発を目的とした治療薬候補の増加などにより、GAの市場規模は2030年まで拡大すると予測されている。


原因

加齢性黄斑変性(AMD)の一部の患者は、地理的萎縮(GA)を発症する。GAは、細胞が無駄になって死ぬ(萎縮する)網膜の領域を指す。これらの萎縮の領域は、網膜を検査している医師には地図のように見えるので、地図状萎縮(GA)という用語が使われるようになったという。

萎縮の領域は、視野に盲点をもたらす。GAは片方または両方の眼に影響を与える可能性があり、片方の眼にGAがある患者は、もう一方の眼にも発症する可能性が高くなるという。

ウェット型AMDと呼ばれる形態の進行性AMDの患者は、ウェット型のAMDの前あるは最中、または後にGAを発症することもあるという。AMDの2つの型は互いに排他的ではない。


症状

GAの最初の症状は、読書中に単語の1つまたは複数の文字が「欠落している」ことに気づくことで見つかる可能性がある。または、人の顔を見ると、顔のごく一部が見えないという。

通常、GAが発症すると、萎縮の領域は、中心視力が失われ、視力が約0.1になるまで、数年にわたってゆっくりと拡大するという。通常、周辺視野には影響しない。


検査・診断

地理的萎縮(GA)は、眼科医による散瞳検査中および/または網膜画像検査で診断される。散瞳眼底検査では、GAはその暗いメラニン色素が欠落している網膜の区画として表示される。

網膜カラー写真、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)、または自己蛍光写真などの画像技術を使用して、GAを検出することもできるという。


治療

残念ながら、現在はまだGAの治療法は確立されていない。患者は、読書に役立つ照明、倍率、低視力のデバイスを増やすことで対応するしか方法はない。

米国の一部の患者は、埋め込み型ミニチュア望遠鏡を外科的に眼に挿入することがあるという(臨床試験中)。画像を拡大することによって、近方視力または遠方視力を持つ特定の患者には効果があるという。


治療薬の開発状況

地図状萎縮(GA)患者のD因子と呼ばれる補体タンパク質を標的とするGenentech社による第III相試験は残念ながら成功しなかった。

一方、C3と呼ばれる別の補体タンパク質を標的とする米国Apellis Pharmaceuticals社によるAPL-2の第III相試験は有望な結果を示し、2023年2月にFDAの承認を得たという。

Apellis Pharmaceuticals社は、2023年2月17日、FDAが同社の補体C3阻害ペプチドのPEG化注射製剤「SYFOVRE」(pegcetacoplan:開発名APL-2)を萎縮型加齢黄斑変性患者に見られる地図状萎縮(GA)に対する初の治療薬として承認したと発表した。

pegcetacoplanは皮下注製剤で、発作性夜間ヘモグロビン尿症の治療薬として、米国および欧州で承認されている。濃度や投与量は異なるが、同じ薬剤の皮下投与と眼内投与でいずれも改善が期待できるというのは興味深い。


パイプライン治療薬

治療薬候補コード開発会社
ALK-001Alkeus Pharma
CPCB-RPE1Regenerative Patch Technologies
Ionis-FB-LrxIonis Pharmaceuticals
IluvienAlimera Sciences

地図状萎縮リポ酸(GALA)の臨床試験では、1日1回の抗酸化剤/鉄キレート剤の錠剤がGAの成長を遅らせることができるかどうかを試験している。

細胞の交換もGAについて試験されている。数人の患者が幹細胞治療を受けている。これらの中で最も有望なのは、細胞をプラスチックシート上で成長させ、網膜の下に外科的に配置し、所定の位置に広げる方法である。細胞は忍容性が高く、患者の目には少なくとも1年間は生き残ることができるという。


予防

地図状萎縮(GA)は、一般的に加齢黄斑変性の一部として見られる病状で、網膜の特定の領域が萎縮(細胞が無駄になって死ぬ)する。現在、地図状萎縮の治療法は確立されていないが、下記のような予防策が考えられている。

  • 健康的な生活習慣
    • 規則正しい生活を心掛ける
    • 適度な運動を行う
    • 栄養バランスの良い食事を摂る
  • 緑黄色野菜の摂取
    • 緑黄色野菜の摂取が有効
  • 禁煙
    • 喫煙は眼の健康に悪影響を及ぼす
  • 定期的な眼科検診
    • 早期発見と早期治療が重要
    • 定期的な眼科検診を受ける

あとがき

地図状萎縮(GA)という一般的には聞き慣れない疾患は、視力低下に関わる病であるため無視するわけにはいかない。私のようなシニア世代は加齢によって年々視力低下に悩まされている。

GAの最初の症状は、読書中に文章の文字が欠落していることで気づいたり、人の顔のごく一部が見えないという。私のように速続したり、他人の顔をじっくりと見ることのない人間には自分自身で見つけることはまず無理であろう。

GAが発症すると、萎縮の領域は中心視力が失われ、視力が約0.1になるまで数年にわたってゆっくりと視力が低下していくという。気付いたときには、時すでに遅しといったことが予想される。専門の医療機関で定期的に眼科検診を受診することが必要であろう。

それと共に予防策として、健康的な生活習慣を維持することが重要でバランスの取れた食事、適度な運動、禁煙、適切なストレス管理が推奨されている。生活習慣は私たちの健康にとって重要であることがGAのようか眼科領域の疾病にも当てはまるとは思っていなかったので、正直、驚いているところである。


【参考資料】
geographic atrophy 地図状黄斑萎縮とは? | 自由が丘 清澤眼科
眼科疾患分野|加齢黄斑変性(平成23年度) – 難病情報センター

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