カテゴリー
凍結乾燥 基盤技術 製剤技術

研究用小型/中型凍結乾燥機の一般的操作方法

凍結乾燥機の構造

凍結乾燥機は次の各ユニットで構成される。

  • 試料保持部(棚の冷却(-40~-80℃程度)と加熱による試料凍結と温度制御機能、および各種センサーによるモニタリング機能が付加され、プロセスの効率化と信頼性が向上)
  • 水蒸気トラップ(水蒸気を氷として凝縮させるトラップは一般に-50℃付近までの冷却が可能である。臨界温度が低い凍結溶液および水以外の揮発性溶媒や添加剤を含む試料の乾燥には、より低温(-80℃等)のトラップを装備した機器が用いられる。)
  • トラップ冷却装置
  • 真空ポンプ(外付けの真空ポンプを用いる場合も多い)

準備

① 凍結乾燥機の凍結機能(冷凍機)を利用して、試料溶液の共焦点を測定する。

② 試料溶液の共焦点データを基に棚温度と真空度の制御プログラムを設定する。


操作手順

① 試料溶液を凍結乾燥用ガラスバイアル(容量 5 ml)に分注(各 2 ~3ml)し、専用のゴム栓を開口部を開けてセットする。

② 試料バイアルをチャンバーの棚に並べて扉を閉じる。

③ 真空コックのノブを閉じる。

④ モニターのレコーディングを開始させる。

制御プログラムを選択し、凍結乾燥機を起動させる。棚冷却用の冷凍機が稼働し、棚温度制御(冷却)プログラムが開始される。

⑥ 棚温度が規定値まで低下して一定時間経過(凍結)後、真空ポンプが自動で起動され、減圧が開始される。(規定値まで減圧が進むことをモニターで確認する。)

制御プログラムに従い、一次乾燥が自動的に開始される。一次乾燥時間が終了後、棚温度を徐々に上げて二次乾燥を進める。

制御プログラムに従い、一次乾燥時間が終了後、棚温度を徐々に上げて二次乾燥が自動的に開始される。

⑨ 二次乾燥時間終了後、減圧下で棚を上昇させてゴム栓をバイアルに押し込み、密封する。

⑩ 真空解除バルブを開いて乾燥チャンバーを常圧に戻した後、制御装置、真空ポンプ、水蒸気トラップを停止させる。

⑪ 試料バイアルをチャンバーの棚から取り出す。

⑫ 水蒸気トラップに付着した氷を融解させ、ドレインから除去後、乾燥させる(自動)。

凍結乾燥装置の構造や制御機構は機種やアダプター等により異なるため、操作にあたっては説明書を確認の上、その指示に従う。