経口固形製剤の製剤開発とは
製剤とは、医薬品を服用に適した形状(剤形)に加工して得られた医薬製品を指す用語です。製造工程では、主薬と添加剤を組み合わせて、効果的で安全な製剤を製造します。
製剤の剤形は、日本薬局方では投与経路別に11種類に分類されており、口から投与される経口固形製剤には、錠剤、カプセル剤、顆粒剤などの固体医薬品があります。
製剤開発は、原薬の物性検討から始まります。原薬の溶解度や吸収特性に基づいて、投与経路や剤形を選定します。剤形が決まったら、製剤処方を決定し、製造法の検討に入ります。
製造工程は、複数の単位操作で構成され、製造条件の確立が必要です。錠剤の製造の場合、製造工程の中で造粒工程が製剤の品質を決定する上で、最重要となります。その造粒工程では、主薬と添加剤にバインダーを用いて粒を造ります。造粒の目的は、流動性と圧縮成形性の良い打錠末を製造するためです。
造粒方法には、大別して湿式法と乾式法があります。湿式法に使用される造粒装置には流動層造粒装置や遠心転動造粒装置、あるいは攪拌造粒機などがあり、製剤処方に適した装置が選択されます。逆に利用できる造粒装置に合わせて製剤処方を製剤設計することもあります。
この造粒工程は次工程である打錠工程において、打錠障害を生じさせないために重要な製造工程となります。
製剤技術における基礎知識とは
製剤技術における基礎知識は多岐にわたっており、これだけ知っておけば「免許皆伝」となるように絶対になりません。何故なら製剤技術は日進月歩で進化しているからです。しかしながら、そうは言っても最低限、以下のような重要なポイントを押さえておけば、新しい製剤技術を学ぶ際の「基礎体力」にはなうのではないでしょうか。
- 製剤の定義と目的
- 製剤とは、医薬品を服用しやすい形状に加工する工程やその製品を指す
- 製剤の目的は、薬効を最大限に発揮し、患者が服用しやすい剤形を提供することである
- 剤形の種類
- 錠剤、カプセル剤、顆粒剤、注射剤、軟膏剤など、投与経路に応じた多様な剤形がある
- 各剤形には特定の製造方法や試験法が適用される
- 添加剤の役割
- 添加剤は、薬効の向上、服用のしやすさ、安定性の確保などに寄与する
- 例えば、苦味のマスキングや徐放性の付与など
- 製造工程
- 例えば、コーティング錠の製造工程は、秤量、混合、造粒、打錠、コーティングなどの単位操作で構成される
- 各工程には専用の製造機器が使用され、プロセスパラメータを特定し、製造条件の確立が必要となる
- 品質管理
- 製剤の品質を保証するために、GMP(Good Manufacturing Practice)に準拠した製造が求められる
- プロセスバリデーションが重要で、製造工程の確立が求められる
- 国際的な規制調和(ICH)も品質管理の一環として考慮
これらの基礎知識を理解することで、製剤技術の全体像を把握し、より深い専門知識を学ぶための土台を築くことができると思います。まずは、私の書いたブログ記事を読んで、製剤技術の扉を開けて下さい。
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